【6月9日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が大統領令で入国を制限したイスラム圏6か国からの米国への渡航者が今年3~4月に前年同期比でほぼ半減したことが8日、政府統計で明らかになった。大統領令は差し止められているが、査証(ビザ)の発給手続きに遅れが出ていることが響いたもようだ。

 政府統計によると、今年3~4月のイラン、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの6か国から米国への渡航者数は6372人と、前年同期の1万2100人から大幅に減少。3月は3462人、4月は2910人で、大半はイランとシリアからの渡航者だった。

 トランプ大統領は就任直後の1月27日、これら6か国にイラクを加えたイスラム圏7か国からの入国を禁じる最初の大統領令を発表したが、当初の渡航者数はほとんど変わらなかった。

 この大統領令が連邦裁判所から差し止められたことを受けてトランプ氏は3月6日、イラクを除く6か国を対象にした新たな入国禁止令に署名。ただ新しい大統領令についても複数の連邦裁が差し止めを命じ、トランプ政権は先週、最高裁に上訴する方針を示している。(c)AFP