■地球磁場の10倍

 楕円軌道を描いて木星を周回しているジュノーは、木星の雲頂から5000キロ内へと接近し、極域の上空を通過する。観測では、一部の予想モデルで示されているように木星が固体の核を持つのか、それとも核を持たないのかを確認するために重力場の測定も行っている。

 観測データを分析した結果、木星の核は「不明瞭」で、小さな圧縮された核があるのでも、核が存在しないのでもないことが明らかになった。ボルトン氏によると、核は部分的に溶解されている可能性があり、誰もが予測していたよりはるかに大きいことは確実だという。

 ジュノーの打ち上げ以前から、木星には太陽系で最も強い磁場があることが研究者らの間ですでに知られていた。論文によると、木星の磁場は「モデルの予測よりも大幅に強い7.766ガウスで、地球磁場の約10倍」であることが、今回の観測で分かったという。

 ジュノーの研究副責任者で、NASAで同ミッションの磁場研究を率いるジャック・コナニー(Jack Connerney)氏によると、木星の磁場はむらが多いように見えるとされ、「場所によって磁場が強いところと弱いところがある」としている。

 同氏はまた、「接近観測を実行するたびに、木星のダイナモ作用についての理解が深まっている」ことを明らかにした。(c)AFP/Kerry SHERIDAN