【5月22日 AFP】わずか4か月前、情熱に満ちた将来有望な若者たちは勝負ネクタイを締め、とっておきのハイヒールを履いて、国に仕える喜びと誇りにはちきれそうになりながらホワイトハウス(White House)の敷居をまたいだ。だが、いつか人生の絶頂期として孫に自慢できるはずだった職務は今、彼らにとって不名誉な経歴となりつつある。

 就任後初の外遊に向かったドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は内政の混乱をしばし忘れることができるかもしれないが、ホワイトハウスには、ますます士気阻喪し途方に暮れるスタッフたちも取り残された。

 17日夜、ホワイトハウス西棟(West Wing)のオフィスに届いた知らせは、まさに青天の霹靂(へきれき)だった。米大統領選でのトランプ陣営とロシア政府の関係について調査する特別検察官が任命されたのだ。壁に掛かったテレビが繰り返しこのニュースを流す中、若い側近たちは表情を失い、無言で座っていた。

「通謀」「大陪審」「弾劾」—―専門家らの長々としたコメントから、そんな言葉がひときわ響いて聞こえる。トランプ大統領に残された任期の行方を左右しかねないニュースに、広報チームはどうにか肯定的な解釈を与えようと、デスクと会議室の間を忙しく走り回っては虚しい努力を重ねていた。

 この数か月間でトランプ政権のスタッフはすっかり消耗し、裏切りに翻弄(ほんろう)され、まるで終わりの見えない危機の連続にさらされてきた。そして、どんな近代政権も経験したことのない混乱の1週間の折り返しの水曜日にもたらされた最新の痛烈な打撃は、全世界が目撃した。歴史書にも書き残されるだろう。