【6月16日 AFP】サッカー元イングランド代表のGKデビッド・ジェームス(David James)氏でさえも破産宣告を受けるような時代に、いきなり驚くほどの大金を稼げるようになったサッカーの若手選手は、緊張感を持って目の前に潜む危険に注意を払う必要がある。

 イングランド代表として通算53キャップを誇り、ポーツマス(Portsmouth FC)で2007-08シーズンのFAカップ(FA Cup 2007-08)制覇に貢献するなど、キャリアを通じて推定2000万ポンド(約28億円)を稼いだとみられるジェームス氏は、英ロンドン(London)に拠点を置く会計事務所のスミスアンドウィリアムソン(Smith & Williamson)のピーター・フェアチャイルド(Peter Fairchild)氏が取り上げる実例として好都合だ。

 キャリアを終えるときに備えた財務計画について若手選手にセミナーを開いているフェアチャイルド氏はAFPの取材に対し、2012年のリバプール(Liverpool FC)をはじめ、複数クラブがこの取り組みに共感していると語った。

 イングランド・チャンピオンシップ(2部)のクイーンズ・パーク・レンジャーズ(Queens Park RangersQPR)がロンドン西部の練習施設で行っているセッションでAFPが貴重な取材許可を得たあと、フェアチャイルド氏は「複数クラブが若手選手に注意を喚起し、衝撃をもたらすことを望んでいる」と明かした。

「彼らはいったん携帯電話やソーシャルメディアから離れ、プレゼンの内容をノートに取る必要があります。なぜなら、それは彼らの人生にとって長期的な利益と影響をもたらすことになるからです」

「いくつかの実例を挙げています。若手選手はヒーローたちがスクリーンに映し出されると、『彼らが破産? あり得ない』という反応を示します。それに対して、私は事実だと答えます。どうかお願いだから気をつけてください。彼らと同じわなにはまらず、最初から正しい道を進むためのアドバイスを求めてくださいと」

 現役引退後の人生設計を手助けするXPRO社によると、サッカー界では選手5人のうち2人が引退から5年以内に破産に追い込まれているという。

 U-23のイングランド代表DFのアレックス・フィニー(Alex Finney)は、「その中にデビッド・ジェームスのようなビッグネームがいるのは、ものすごくショックだよ。彼らはサッカー界のトップに立った一握りの人間だ。彼らのような人たちが最後に何も手にできないなんて恐ろしい。これは若手選手にとって目覚ましとなり、自分の人生で起こり得る事態の備えにつながる」と話した。