【5月14日 AFP】世界各国の金融機関や医療機関、政府機関などが標的とされた大規模サイバー攻撃をめぐり、欧州警察機関(ユーロポール、Europol)は13日、攻撃元の特定に向けて捜査に着手したことを明らかにした。サイバーセキュリティー企業らも対策に乗り出している。

 12日に発生した国際規模のサイバー攻撃は、ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)によるものとしては前例のない規模とみられる。被害はロシアの銀行から英国の病院、運送大手フェデックス(FedEx)や欧州自動車メーカーの工場まで、多数の国の政府機関や大手企業に広がった。フランス警察当局は、世界各地におよんだ被害の総数は7万5000件を超えるとし、被害件数はさらに「大幅に」増える可能性もあると警告している。

 今回のサイバー攻撃について欧州警察機関は13日の声明で「前代未聞のレベル」と評し、攻撃元の特定には各機関との協力による総合的な国際捜査が必要だと述べた。既に欧州警察機関傘下の欧州サイバー犯罪センター(European Cybercrime Centre)内に、捜査の補佐役として重要な役割を担う特別チームを設置したという。(c)AFP/Robin MILLARD