【5月12日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部、ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)のマルク・バルトラ(Marc Bartra)が、手首骨折の重傷を負ったチームバス爆発事件を経て、サッカーへの情熱が今まで以上に高まったと語った。

 26歳のバルトラは10日、チーム練習に復帰。欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)の一戦へ向かうチームバスのそばで発生した3度の爆発で手術を余儀なくされてから29日後のことだった。バルトラと警官1人が負傷した今回の事件では、28歳のロシア系ドイツ人の男が起訴されている。

 今月27日に控えるフランクフルト(Eintracht Frankfurt)とのドイツカップ(German Cup 2016-17)決勝前の復帰を目指しているバルトラは、「ボールを目にしたら、自分の周りにあるすべてのことを忘れる。今までなかったほど、走ったり、練習したり、守備をしたり、そしてチームメートと共にいたりすることを強く欲している」と話した。

 本拠地ジグナル・イドゥナ・パルク(Signal Iduna Park)で開催が予定された欧州チャンピオンズリーグのASモナコ(AS Monaco)戦は、爆発事件の影響で試合が翌日に延期された末に2-3で敗戦。最終的には合計スコア3-6で敗退が決まった。

 過去には約14年間にわたってFCバルセロナ(FC Barcelona)に在籍していたバルトラは、先月11日に発生した爆発事故は人生最悪の一日であり、今でも当時の記憶との葛藤があるという。

 スペイン出身のセンターバックは、「痛みやパニック、そして先行きの見えない不安。人生最悪だった。それまで経験したことがないような状況だった。より怖がるべきなのか、どのようにふるまえばいいかわからなかった」と心境を吐露。その一方で、「今まで以上に(サッカーを)楽しみにしている」と事件にもくじけないと話した。

 事件の余波が続く中、世界中のファンから届いた温かい祈りに勇気づけられたというバルトラは、今後数週間での実戦復帰を目標としている。

 ドイツカップ決勝を見据えるバルトラは、「今週か来週にはメンバー入りし、チームを助けられたらと思う」と加入1年目でのタイトル獲得に意欲を燃やした。(c)AFP