【5月7日 AFP】豪雨に見舞われたカナダ東部で大規模な洪水が発生し、住民らが避難を余儀なくされている。政府は5日、軍に被災地域への出動を命じ、6日には兵士の派遣が始まった。洪水の水位は8日か9日にピークに達すると予測される。

 ケベック(Quebec)州では集中豪雨に加えて雪解け水が流れ込んで河川が氾濫。首都オタワ(Ottawa)からモントリオール(Montreal)までの一帯が危機的な状況に陥り、兵士400人が同州に派遣された。

 カナダ東部を流れるセントローレンス(Saint Lawrence)川では6日、オンタリオ(Ontario)州の州都トロント(Toronto)から下流のオンタリオ湖(Lake Ontario)までの500キロにわたって水位が上昇し続けた。

 同日、1週間以上も洪水に見舞われているモントリオール東方のリゴー(Rigaud)を視察したフィリップ・クイヤール(Philippe Couillard)ケベック州首相は「水位は今後の2、3日間も上昇するだろう」と述べ、最悪の事態はこれからだと警鐘を鳴らした。また、「自宅を離れたくないのは理解できる」としたうえで、身の安全のために避難してほしいと住民に呼び掛けた。 

 エマージェンシーサービスによれば、洪水被害が最も深刻なケベック州では121の市や町で家屋1500棟以上が浸水し、1000人近くが避難している。(c)AFP