【4月21日 AFP】ロシア・チェチェン(Chechnya)共和国で同性愛者らが迫害を受けていると報じられている問題で、ロシア政府は20日、事実関係は確認されておらず、メディアに対する「幽霊告発(実体のない告発)」こそ警察の捜査を受けるべきだと指摘した。

 これに先立つ19日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が同共和国のラムザン・カディロフ(Ramzan Kadyrov)首長と会談。カディロフ氏は、同性愛者の男性らがチェチェンで身柄を拘束されたほか、名誉殺人を実行するよう促された家族がいるとの報道を「挑発的な記事」だと批判した。

 また、ドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は記者団に対し、「現時点でこの情報が確認されたとの報告はない」と説明した。

 同報道官は、報道各社が被害者を取材しているとの記者らの指摘に「法律違反があれば、市民は警察に行って届け出るというのが常識だ」と述べ、「(被害者は)どこにいる? 誰もいない……この人たちは誰なんだ? どこに住んでいる?」と反論。「これらの告発は幽霊のようなもので、実在の人間と全く関わりがない」とし、「彼らは何を恐れているのか。保護下に置かれることが怖いのか?」と批判した。

 なお、ロシア検察当局は17日、この事案について調査を行っていると表明した。

 チェチェン共和国では同性愛がタブーとされ、当局は男性同性愛者の存在を否定している。同共和国から逃れ、モスクワ(Moscow)に身を隠しているチェチェン人男性らはAFPの取材に対し、殴られ、非正規の施設に身柄を拘束されたと説明。当局と家族の両方を恐れてチェチェンから逃げたと話した。

「現実および想像上の同性愛」を理由に迫害されたチェチェン人の同共和国からの逃亡を支援する非政府組織(NGO)「ロシアLGBTネットワーク(Russian LGBT Network)」は17日、過去3週間足らずの間に60人前後が避難を求めたと発表した。(c)AFP