【4月11日 AFP】油田労働者が多い米テキサス(Texas)州オデッサ(Odessa)の高校で科学を教えているアンジェラ・ガーリントン(Angela Garlington)さんは、授業の進め方をめぐり孤立無援だと感じている。進化、つまり地球上の生物が数十億年をかけていかに進化してきたのかを教える際、ガーリントンさんは地球上の生命は神が創ったものだとする聖書の天地創造説も併せて教えている。

「教育を受けた青少年として自分が何を信じるか選ぶ権利がある、と生徒たちには言っている」と40代後半のガーリントンさんは言う。「論争を呼ぶ問題について、同僚たちも両論を教えているのかどうかは分からない。でも自分はそうしてきたし、これからもたぶんそうするだろう」

 今年2月、ガーリントンさんのような教師を法的に保護することになる法案がテキサス州議会に提出され、現在審議されている。「物議を醸すおそれがある」科学の見解を議論の余地のある説として紹介する裁量権を教師に与える内容だ。

 今年に入ってこうした法案が提出されているのは全米で8州。テキサス以外では、サウスダコタ(South Dakota)、オクラホマ(Oklahoma)、アイオワ(Iowa)、アラバマ(Alabama)、インディアナ(Indiana)、フロリダ(Florida)、アーカンソー(Arkansas)もこの動きに続いている。この法案は、学校で科学をどう教えるべきか、授業で宗教的信念を考慮すべきかどうかという米国で盛んな論争における新たな火種だ

 世論調査会社ギャラップ(Gallup)の2014年の調査では、「約1万年前に神が人類を今と同じ姿で創造した」と信じる米国人は42%に上った。この割合は30年前に調査が開始されて以来ほとんど変動していない。

 同じ調査では、31%が人類は神の導きによって未発達な生命体から進化したと信じていると回答。進化の過程に神は一切関係ないと思うという回答は19%だった。