【3月23日 AFP】第4回ワールド・ベースボール・クラシック(2017 World Baseball ClassicWBC)は22日、米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)で決勝が行われ、米国が8-0でプエルトリコに圧勝し、大会初制覇を果たした。

 2次ラウンドで敗れた屈辱を晴らし、プエルトリコの全勝優勝を阻止した米国のクリスチアン・イエリチ(Christian Yelich)は、「この試合に勝つことしか考えていなかった。それが結束につながった」と語った。

 2006年から始まった大会の開催国として、米国は今回の優勝で長年抱えていたフラストレーションに終止符を打った。野球発祥の地として、大リーグ(MLB)で世界最多の626人の選手を誇る米国だったが、WBCでは決勝まで進んだことはなく、2009年大会で日本に敗れた準決勝がこれまでの最高成績だった。

 米国のアダム・ジョーンズ(Adam Jones)は、17日のプエルトリコ戦に敗れたリベンジを果たすこと以外に、チームにとって何がモチベーションになったのか問われ、「本音を知りたいだろう。これまで作られたチャンピオンTシャツのなかに、僕らのがなかったことさ。フライトが予約され、パレードが計画されていても、座り心地は悪かった」と答えている。

 米国の先発投手マーカス・ストロマン(Marcus Stroman)も、「(優勝Tシャツとパレードは)闘志を燃やすための原動力になった。試合開始前にはそれらが大きな士気につながった」と語った。

 ストロマンが6回まで無安打投球を続け、イアン・キンスラー(Ian Kinsler)の本塁打で先制した米国は、ドジャー・スタジアム(Dodger Stadium)に詰めかけた5万1000人の観客の前でプエルトリコを粉砕した。

 大会最優秀選手(MVP)に選出されたストロマンは、7回裏に先頭打者のアンヘル・パガン(Angel Pagan)に二塁打を許して無安打投球が途絶えた。しかし、ストロマンの好投に加え、3回表にキンスラーが記録した2点本塁打により、プエルトリコに与えていたダメージはすでに大きかった。

「こういう試合で投げるのは大好きだ」と話すストロマンは、「雰囲気も大好きだし、大きな試合で投球を任されたことを誇りに思う。これまで投げたなかで、最も大きな試合になるだろう。自信はあったし、集中していた。勝ててうれしい」と述べた。

 チームメートとともに好戦的な態度で試合に臨んだストロマンは、プエルトリコ人の血を引いており、2013年大会後にはツイッター(Twitter)で同国代表として投げる可能性を示唆しながらも、今大会を米国代表として戦うと決断したことでプエルトリコのファンから怒りを買っていた。

 MVPの表彰式でスピーチした際、相手チームのファンからブーイングを浴びていたストロマンは、プエルトリコ人の母親がソーシャルメディアでいやがらせを受けたことがモチベーションの一部となったと明かしている。

 一方、MLBでプレーする選手が50人しかいないプエルトリコは、WBCで史上2チーム目の全勝優勝を目指していたが、7勝1敗の戦績で今大会を終了。金髪に染めて今大会に臨んだものの、2013年大会の決勝でドミニカ共和国に敗れたのに続き、2大会連続の準優勝に終わった。(c)AFP/Greg Heakes