【3月8日 AFP】サッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)は7日、決勝トーナメント1回戦第2戦が行われ、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)が5-1でアーセナル(Arsenal)を退け、2試合合計スコア10-2で準々決勝に進出し、惨敗を味わったアーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)監督は、これで7季連続ベスト16敗退に終わった。

 試合前にファンが解任を求めるデモを行うなど、ベンゲル監督への風当たりが強まる中、チャンピオンズリーグの名称になって以降まだ誰も成し遂げていない4点差をひっくり返しての逆転突破を目指したアーセナルだったが、指揮官を待っていたのはさらなる屈辱だった。

 テオ・ウォルコット(Theo Walcott)のゴールで先制して前半を終え、奇跡の大逆転を少しだけ期待させたアーセナルだったが、後半の早い時間帯でローラン・コシールニー(Laurent Koscielny)が退場処分となり、献上したPKをロベルト・レワンドフスキ(Robert Lewandowski)に決められたことで、希望は無残に断たれた。

 さらにチームはその後もアリエン・ロッベン(Arjen Robben)とダグラス・コスタ(Douglas Costa)に1得点、アルトゥーロ・ビダル(Arturo Vidal)に2得点を許し、ベンゲル監督は惨めな姿をさらすことになった。

 アーセナルが本拠地エミレーツ・スタジアム(Emirates Stadium)で5失点を喫したのは今回が初めて。観客が早々に席を立ち、赤いシートがのぞくスタジアムには、まるで葬式のような雰囲気が漂い、最後はブーイングの大合唱と「もうたくさん、ベンゲルさよなら」といった横断幕とともに試合終了を迎えた。

 プレミアリーグのタイトルが遠のいたばかりか、来季のチャンピオンズリーグ出場権獲得すら怪しくなった状況で、クラブで通算184試合目となるチャンピオンズリーグの試合に臨んだベンゲル監督だが、今季限りで21年の政権に幕を下ろすという見立てが強まっていることもあり、今回がアーセナルで最後のチャンピオンズリーグの試合になる可能性も十分にある。

 ベンゲル監督はギリシャ人のタソス・シディロプーロス(Tasos Sidiropoulos)主審の判断を非難し、「PKとレッドカードというのはまったく理解不能だし、ふざけている。審判の責任放棄だ。非常に腹立たしいし、不満を感じている」と息巻いた。

 対するバイエルンのカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)監督は、「奇妙な試合で、正直に言えば、内容とスコアは比例していないと思う。あのPKで一気に楽になった」と話した。(c)AFP/Steven GRIFFITHS