【3月2日 AFP】民間人2人の月周回旅行を2018年に計画していると、米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)が今週発表したが、この計画について専門家らは、健康への影響はあるものの、大半は軽微で、一時的なものになるとの意見で一致しているようだ。

 英ロンドン(London)の研究機関「CASE Medicine」のダニエル・グラント(Daniel Grant)氏は「宇宙に旅立つすべての飛行士と同様に、彼らはひどい乗り物酔いに悩まされるだろう」とAFPの取材に語った。無重力状態では、内耳の平衡感覚に混乱が生じるためだという。CASEでは、極限環境における医療と生理機能に関する研究が行われている。

 乗り物酔いから回復するまでの時間は人それぞれで、飛行士によっては数日を要するケースもこれまでみられたという。今回の月周回旅行は1週間の計画で行われるため、この影響は小さくない。

 自撮りファンにとって残念なのは、地球上では重力によって下方に引っ張られている体液が、無重力環境では上方に広がるため顔がむくむことだ(脚は細くなる)。これは放尿の際にも問題となり得る──無重力の環境では、液体が宙に浮いてしまうからだ。

 無重力空間では、骨や筋肉への影響もある。ただ、1週間だけなら持続的な衰えはないだろうというのが大方の見方だ。

 宇宙旅行における人体への影響としては、その他にも、突発的な閉所恐怖症や睡眠周期の乱れが考えられる。後者をめぐっては、地球帰還時のひどい時差ボケなどが生じるとされる。