【2月28日 AFP】競泳界のレジェンドで米国のマイケル・フェルプス(Michael Phelps)氏が、昨年のリオデジャネイロ五輪でライバル選手が薬物を使用していた可能性があることに対して、その腹立たしい胸中を訴えた。

 28日にスポーツ界の薬物使用に関する米議会の聴聞会に出席するのに先立ち、フェルプス氏は証言内容を記した文書で、自身とチームメートは疑心暗鬼に駆られながらリオ五輪の競技に臨んでいたと明かした。

 リオ五輪直前のスポーツ界では薬物スキャンダルの疑惑が後を絶たず、ロシアでは複数競技で国家ぐるみのドーピングが横行していた事実が発覚したことについて、フェルプス氏は声明で「リオは別の意味でも例を見ない大会だった。なぜならドーピング問題が拡大していたからだ」と述べた。

「五輪イヤーに入り、不安や疑念が膨らんだ。自分は他の選手とともに、大会の数か月前までに選手全員が検査を受けることを求める嘆願書に署名した。残念ながら、大会に入っても不安はぬぐえず、このことがチームメートやライバル勢にいかに影響を及ぼしていたかを目にした。僕たちは全員不満を感じていて、五輪に向けて懸命に準備をしてきたことへの信念や自信を大いにそがれてしまった」

 現在31歳のフェルプス氏は、5個の金メダルを獲得したリオ五輪を最後に現役を引退した。

 五輪通算23個の金メダルを誇る米国のスーパースターはまた、「キャリアを通じて、一部の選手が不正行為を行っているかもしれないと疑ってきたが、その中には事実と証明されたケースもあった」とつづった。

「自分や大勢の選手たちが経験してきたすべての検査結果をふまえ、この状況を理解することが難しい。私がどれだけ努力してきたのか知りながら、別のアスリートが非現実的なタイムで記録を破る姿を目撃し、どれだけ不満を感じたか正確に述べることは不可能だ」 (c)AFP