【2月25日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)は24日、2017年シーズンの新車「SF70H」の発表を行い、新たな形状でスピードアップが期待されるマシンでセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)とキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)がタイトル奪還を目指す。

 昨季はメルセデスAMG(Mercedes AMG)とレッドブル(Red Bull)の後塵(こうじん)を拝してコンストラクターズ選手権3位に終わったフェラーリは、ドライバーズ部門でも2007年にライコネンが果たしてからタイトルに見放されている。

 イタリア・マラネロ(Maranello)の本部で新車をシェークダウンしたライコネンは、「最初の数周は全速力とはいかなかったが、良い感触だったと思う」とすると、「当然ながらこれは初期段階にすぎず、今日はもう少しラップをこなすことになるが、本格的に始動するのはスペイン・バルセロナ(Barcelona)での合同テストからだ」とコメントした。

 バルセロナで迎える今季のプレシーズンテストは、今月27日から始まる1回目が4日間、翌週の2回目も4日間行われることになっている。

 ライコネンが「マシンの形は気に入っている。新しいレギュレーションによって、昨季からかなり変更されている」と話しているように、フェラーリのモータースポーツ参戦70周年にちなんで命名された「SF70H」は、これまで通り大部分が赤ながら黒い縁取りが施されて、スピードアップを目的とするレギュレーションの改正による新たな形状が特徴的となっている。

 これが63代目のモデルとなる今回の新型車はまた、改良されたエアロダイナミクスによるダウンフォースと、幅広くなったピレリ(Pirelli)のタイヤによるグリップ力の増加とハイスピードのコーナリングが期待される。

 新たなレギュレーションに伴い、長くなったノーズと矢のような形状をしたウイングに加え、エンジンカバーには白いのシャークフィンが使用されている。さらに、ピットストップでのタイヤ交換を効率化するために、ハブやホイールキャプにも変更が加えられているほか、ブレーキングの向上とステアリングの強化が施されている。

 とりわけ特徴的なのはノーズ部分で、3年連続で世界選手権を制しているメルセデスが、23日に英シルバーストーン(Silverstone)で発表した新車「W08」よりも、かなり幅広いものになっている。

 今季のF1第1戦オーストラリアGP(Australian Grand Prix 2017)の決勝を3月26日に控え、ライコネンは27日の合同テストで「SF70H」の性能を試すことになる。(c)AFP