【2月18日 AFP】パキスタン南部シンド(Sindh)州セーワン(Sehwan)にあるスーフィー(Sufi、イスラム神秘主義)の聖廟(せいびょう)で16日に起きた自爆攻撃についてイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出したことを受け、同国軍は17日、全土で掃討作戦を行い100人以上の「テロリスト」を殺害、複数の戦闘員を拘束したと発表した。

 保健衛生当局によるとこの事件の死者は88人になった。このうち子どもは少なくとも20人に上り、2014年にペシャワル(Peshawar)の学校で発生した攻撃以来最悪の犠牲者数となった。

 パキスタンでは13日に東部の都市ラホール(Lahore)で13人が死亡、数十人が負傷する自爆攻撃とみられる事件が発生しイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」の分派組織が犯行声明を出すなど、今週は過激派の攻撃が相次いでいた。

 16日の聖廟自爆事件によりパキスタンでは過激派による攻撃の増加が危惧されている。同国でのISの出現とタリバンの復活は過去10年間イスラム過激主義と戦ってきた同国政府にとって大きな打撃となる恐れがあり、治安情勢の先行きに対する楽観的な見方に冷水を浴びせている。(c)AFP/Asif HASSAN and Israr KHAN