【2月17日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は16日、就任後初めて単独で記者会見を行った。「国内外のごたごたを引き継いでしまった」と前政権への不満をにじませる半面、入国制限措置をめぐる混乱や側近の辞任などが相次いでいるにもかかわらず政権運営は順調だと主張した。また、大統領選前にロシア側と接触した疑惑を改めて否定するとともに、メディアが「偽ニュース」を流していると激しく非難した。

 トランプ氏は会見で「正直に言って、わたしはごたごたを引き継いでしまった。国内外で問題だらけだ」と発言。「賃金は低く、海外情勢はどこを見ても非常に不安定だ。中東はひどい状況だし、北朝鮮もそうだ」と語り、こうした問題すべてに対処していくと表明した。

 トランプ政権は発足から1か月しかたっていないが、移民らの入国を制限する大統領令の連邦裁判所による執行差し止め、マイケル・フリン(Michael Flynn)大統領補佐官の辞任、労働長官候補だったアンドリュー・パズダー(Andrew Puzder)氏の指名辞退など、早くも試練に直面している。

 しかしトランプ氏は「大混乱は起きていない」と主張。「われわれは信じられないほどの進展を見せている。これほど短期間でわれわれほどの実績を残した大統領はかつていなかったと思う」と自賛した。政権は「よく整備された機械のように動いている」とも述べた。

 昨年の大統領選に先立って自身やスタッフがロシア側と接触したかという質問には「そんなことはない。わたしの知る限り誰も(接触していない)」と答えた。さらに「わたしはロシアとは何の関係もない。ロシアに関する話はすべて策略だ」と反発した。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、トランプ氏の側近らが大統領選前にたびたびロシアの情報当局者と接触していたと報じていた。

 トランプ氏は「彼らはロシアにいなかった。ロシアに電話したこともなければ、ロシアから電話を受けたこともない。全部偽ニュースだ」と切り捨てた。(c)AFP