【2月1日 AFP】スペイン1部リーグ、FCバルセロナ(FC Barcelona)のルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督は、重大な判定における同国サッカー界でのビデオテクノロジー導入への要望を強く主張した。一方で、リーグ側は来シーズンからのトライアル実施に期待を寄せている。

 バルセロナは先月29日に行われたレアル・ベティス(Real Betis)戦で、ボールが相手ゴールラインを完全に越えていたにもかかわらず、アレハンドロ・エルナンデス(Alejandro Jose Hernandez)主審がこれを見逃したため、明らかなゴールが認められなかった。スペインリーグは他の欧州主要リーグとは違い、ゴールライン・テクノロジー(GLT)を導入していない。

 スペイン国王杯(Copa del Rey 2016-17)準決勝のアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)戦を控える中、31日に会見に臨んだエンリケ監督は、「試合の重要な局面でテクノロジーを用いて審判を助けることと、ビデオ判定で再判定を下すことは―これについて私は賛同しないが―区別すべきだと思う」と語った。

「ボールがラインを越えたとか、ゴールが取り消されたとか、レッドカードもののファウルというプレーに関しては審判に助けが必要だ。確認して明確にするのに、数秒しかかからない」

 スペイン・プロサッカーリーグ機構(LFP)のハビエル・テバス(Javier Tebas)会長は以前、他のリーグで導入されているGLTのホークアイ(Hawk-Eye)の使用についてコスト面を理由に却下し、ビデオ判定の方が安価で将来的により有益なものだと主張していた。

 テバス会長は30日、「こういった(ゴールの取り消し)件については、ビデオ判定がもっとも進んだものだと考えている。コストは450万ユーロ(約5億円)だ。毎年、7件から8件こういったことが起きている」とコメントした。

「スペイン国内では、審判委員会との合意が必要になる。われわれはすでに、ドイツ・ブンデスリーガ1部やイングランド・プレミアリーグと同様に、来年トライアルが行われることについて委員会の耳に入れてある」

 テバス会長はまた、各国主要リーグが国際サッカー連盟(FIFA)の承認の下で、2018年までのビデオ判定導入に歩みを進めるだろうと続けた。

「FIFAが承認をしていれば、2018年7月には導入する。全プロリーグでビデオ判定が行われることになるだろう」 (c)AFP