【1月31日 AFP】ポーランド政府は30日、ナチス・ドイツ(Nazis)のアウシュビッツ・ビルケナウ(Auschwitz-Birkenau)強制収容所の運営に関わった約1万人の氏名と個人情報についての初のオンラインデータベースを公表した。

 データベースは、ナチス・ドイツがポーランド占領時に建設した強制収容所関係者すべてを対象にした調査で明らかになった情報で構成されており、これまでに約2万5000人分が判明している。今回公開されたのはそのうちの9686人分。「国民記録機関(IPN)」代表のヤロスワフ・シャレック(Jaroslaw Szarek)氏が、同国南部クラクフ(Krakow)で報道陣の取材に語った。

 シャレック氏によると、プロジェクトの目的の一つは、ナチス・ドイツ占領下のポーランドで建設・運営された施設について、外国メディアに正しく認識してもらうことで、データベースは5言語に対応している。

 ポーランド南部オシフィエンチム(Oswiecim)で1940年に建設された同強制収容所では、ユダヤ人を中心に約110万人が死亡した。このうち子どもの犠牲者は、23万2000人と推計されている。

 データベース公表の数日前には、同強制収容所を改装した博物館が、当時の関係者に関する資料を引き渡すようドイツやオーストリアの人々に対し強く求めていた。これら関係者の「モチベーションや精神状態」を知る上での手掛かりにするためとしていた。

 同博物館のピオトル・シウィンスキ(Piotr Cywinski)館長は、人に対して憎しみを抱かせるポピュリズム構造の影響についてより理解を深めるため、強制収容所関係者の情報をさらに集めたいと語っている。(c)AFP