【1月20日 AFP】ゴリラやテナガザルといった生物学的にヒトに最も近い霊長類の約60%が、主に人間の活動が原因で絶滅の脅威にさらされている。研究論文が18日、発表された。

 米科学誌「サイエンス・アドバンシズ(Science Advances)」に掲載された論文で、共同執筆者で米イリノイ大学(University of Illinois)のポール・ガーバー(Paul Garber)教授(人類学)は、霊長類の約60%が絶滅の脅威にさらされており、約75%が個体数減少に直面していると述べた。

 論文によると、ワオキツネザル、ウズングワアカコロブスサル、ウンナンシシバナザル、グラウアーゴリラなどは、その個体数が数千のみとされており、また中国に生息するカイナンテナガザルに至っては、30匹を下回っているという。

 全霊長類の3分の2は、ブラジル、コンゴ民主共和国、インドネシアとマダガスカルのわずか4か国に生息している。個体数の減少を招いているのは、狩猟や違法ペット取引、森林伐採、道路建設、採鉱、耕作といった人間の活動だ。

 ガーバー教授は、「これらの霊長類は、中国、マダガスカル、インドネシア、タンザニア、コンゴ民主共和国といった国の森のなかで必死に生きようとしている」「悲しいことに、これら霊長類種の保護を世界の優先課題としなければ、今後25年間に多くが消滅するだろう」と指摘している。(c)AFP