【1月19日 AFP】サッカークラブの長者番付、デロイト・マネーリーグ(Deloitte Football Money League)の2015-16年版で、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)が、成績不振の影響を受けることなく約10年ぶりにトップへ返り咲いた。

 2003-04シーズンを最後に、会計事務所デロイト(Deloitte)が発表する長者番付のトップから遠ざかっていたユナイテッドは、過去最多となる6億8900万ユーロ(約840億円)の収入を記録し、昨季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2015-16)覇者でスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)が11年間保持してきた王座を奪取した。

 ルイス・ファン・ハール(Louis van Gaal)前監督の下でリーグ5位に終わり、欧州チャンピオンズリーグの出場も逃した昨季のユナイテッドが、年間収入でトップに立った一番の要因について、デロイト社の上級コンサルタントを務めるティム・ブリッジ(Tim Bridge)氏は「リーグでもトップを誇るチームの商業力だ」と述べた。

 一方、現在リーグ首位につけるレアルは、6億2010万ユーロ(約755億8800円)を記録し、初めて6億ユーロ(約730億円)の大台を突破したものの3位に後退。6億2020万ユーロ(約756億円)で2位に入ったFCバルセロナ(FC Barcelona)に、10万ユーロ(約1200万円)の差をつけられた。

 上位3チームは、初めて発表された1996-97年版のランキングと同じ顔ぶれとなった。当時1位を記録したユナイテッドの収入は8800万ポンドで、それから20年後にポール・ポグバ(Paul Pogba)を獲得するためにつぎ込んだ移籍金とほぼ同額となっている。

 シーズン前にプレミアリーグの放映権で巨額の収入を記録したとはいえ、今季の欧州チャンピオンズリーグの出場権を逃しているユナイテッドが、長者番付のトップの座に君臨するのは短いと分析しているブリッジ氏は、「テレビ放映権が収入の一部を埋め合わせることになるが、ユナイテッドがリーグ戦を何位で終えるかによるだろう」と述べた。

「実のところ来年は三つどもえの闘いになる。ユナイテッドはチャンピオンズリーグを逃しているし、(ユーロとポンドの)換算レートの影響もある。英国の欧州連合(EU)離脱でポンドは値下がりしている。来年のトップの座は変動することになるだろう」

 今回の長者番付では、4位に独ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)、5位にマンチェスター・シティ(Manchester City)が入る一方で、フランス・リーグ1の強豪パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)が6位に転落した。

 シティが初めてベスト5入りを果たしたのは、昨季の欧州チャンピオンズリーグで4強入りを果たしたことが後押しになったとみられる。(c)AFP/Pirate IRWIN