【1月17日 AFP】米国の公民権運動を主導した故マーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr.)牧師をたたえる祝日の16日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は、キング牧師の長男であるマーティン・ルーサー・キング3世(Martin Luther King III)と面会した。

 トランプ氏は、キング牧師と盟友だった民主党の有力黒人議員ジョン・ルイス(John Lewis)氏(76)が20日に行われる大統領就任式への欠席を表明したことで、同氏と激しく対立している。そうした中、就任式前のキング3世との面会には、黒人社会との接触を試みるトランプ氏側の狙いがあるとみられる。

 トランプ氏は面会前、「マーティン・ルーサー・キング・デーと彼が支持した多くの素晴らしいことすべてを祝福する」とツイッター(Twitter)に投稿し、「偉大な男だった彼をたたえたい!」と続けた。

 長男のキング3世によると、ニューヨーク(New York)のトランプタワー(Trump Tower)での面会では、マイノリティーの有権者に偏った影響を与えているとされる現在の投票権も話題に上ったという。

 大統領就任式欠席を表明しているルイス下院議員は、キング牧師が率いた1963年の「ワシントン大行進」にも参加し、公民権運動に長年尽力してきた人物として知られる。同議員は13日に出演した米NBCの番組で「私はこの次期大統領を正当な大統領とはみなしていない」と述べ、初当選した1987年以降で初めて大統領就任式を欠席すると明らかにした。これに対しトランプ氏は翌日、ツイッターでルイス氏を攻撃していた。(c)AFP