【1月30日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)は29日、男子シングルス決勝が行われ、大会第17シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が第9シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)を6-4、3-6、6-1、3-6、6-3で下し、自身18度目の四大大会(グランドスラム)優勝を成し遂げた。

 フルセットの激闘を制し、1972年の同大会を37歳で優勝したケン・ローズウォール(Ken Rosewall、オーストラリア)氏に次ぐ年長でのタイトル獲得を果たした35歳のフェデラーは、グランドスラムの優勝回数で2位につけるナダルとピート・サンプラス(Pete Sampras、米国)氏との差を4に広げた。

 2012年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2012)以来約5年ぶりの四大大会優勝を果たしたフェデラーは、2回目のチャンピオンシップポイントで勝利を決めると、喜びのあまり飛び上がって涙を流した。

 大会前は決勝進出の期待も低かった両者だが、トップシードのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)とノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が早期敗退を喫すると、見事にそのチャンスをものにし、この試合でも最終第5セットにもつれる一進一退の攻防を繰り広げた。

 四大大会決勝の舞台でナダルに4連敗を喫していたフェデラーは試合後、「僕のキャリアにおける金字塔になった。ラファとの試合は常に最高だ」としたうえで、「ラファにはキャリアを通して最も苦しめられてきた」と宿敵をたたえた。

 長年の好敵手ナダルとの通算35回目の直接対決を制し、対戦成績を12勝23敗としたフェデラーは、大会前の自身に対する期待について「準々決勝まで上がれれば素晴らしい大会だと言ってきた」と振り返ると、「きょうは自分自身を一歩前に進めた。『信じてボールを追いかける。サーブを打って走る、サーブを打って走る。とにかくファイトしてラッキーをつかめるか見てみよう』と言い聞かせた。そして僕はやってのけた。今夜はラッキーだったよ」と話した。

 一方、けがに悩まされた昨シーズンを乗り越え調子を取り戻したナダルは試合後、「非常に長い離脱の後での、彼のこうした素晴らしいプレーは信じられない。君がこのために本当にたくさんの練習をしてきたのは間違いない。本当にうれしく思うよ」と語った。

「僕にとっては素晴らしい1か月になった。本当に楽しめたよ。きょうここに来るために、ハードに練習してきた。おそらくロジャーの方がほんの少し勝利にふさわしかった」

「とにかく挑戦し続ける。自分も非常に高いレベルに帰って来れたと感じている」

 テニス史上最高の選手として評されることも多いフェデラーは、この日の勝利で異なる三つの四大大会で5回以上(全豪5回、ウィンブルドン7回、全米5回)優勝した初めての選手となった。(c)AFP/Robert SMITH