【1月12日 AFP】米ロサンゼルス(Los Angeles)市内にある評価の高いすし店26店を対象に行われた研究で、提供されていた魚の半数近くに不適切な魚種名が表示されていたとする調査結果が、11日付の国際学術誌「コンサベーション・バイオロジー(Conservation Biology)」で発表された。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)とロヨラ・メリーマウント大学(Loyola Marymount University)の研究者らが2012年から2015年にかけて実施した調査は、口コミレビューサイト「イェルプ(Yelp)」やレストラン格付けガイド「ザガット(Zagat)」で高い評価を受けていた26店のすし店を対象に行われた。

 研究を率いたUCLAのポール・バーバー(Paul Barber)教授によると、「すし店で購入した魚の約半分は、自分たちが思っているものとは違った」という。

 バーバー教授は「魚の不適正表示は故意ではない可能性もあるが、一部ではかなり意図的に行われていると考えている」と述べながらも、「流通過程のどこで(不適正表示が)行われるのかを知るのは困難だ」との見解を示した。

 また論文の共同執筆者であるデミアン・ウィレッテ(Demian Willette)氏は、食品の不適正表示自体は目新しいものではないとしつつも、食品についての意識が高い人が多いロサンゼルスのような場所で、不適正表示がこれほど多く見受けられたことは驚きだと述べた。

 調査ではUCLAの生物学専攻の学生たちがすし店を訪問。人気のすしネタ10種類を研究サンプルとして収集し、DNA鑑定したという。ウィレッテ研究員によると、364点のサンプルのうち47%で不適正表示が見つかったという。

 論文では不適正表示が消費者をだます行為であることとは別に、ある種類の魚へのアレルギーを抱えた人や、水銀を多く含む魚を避けるべき妊婦や子どもに健康上のリスクを招く恐れがあるとして、警鐘を鳴らしている。(c)AFP/Jocelyne ZABLIT