【1月7日 AFP】ロシア軍は6日、シリアに展開している部隊の規模縮小を開始したことを明らかにした。一方、シリア政府軍は、首都ダマスカス(Damascus)の主要な水源がある反体制派支配地域への爆撃を強化している。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が12月29日、シリアへの派遣部隊の縮小命令を出したことを受け、ロシア軍は空母アドミラル・クズネツォフ(Admiral Kuznetsov)が率いる艦隊を紛争地から撤退させることを発表した。

 同空母が11月にシリア沖に到着すると、ロシア軍は地上および地中海(Mediterranean Sea)での攻撃力を強化し、アレッポ(Aleppo)を標的とするシリア政府の軍事作戦を支援していた。

 ロシアメディアによれば、シリア派遣部隊を指揮するアンドレイ・カルタポロフ(Andrei Kartapolov)氏は、2か月に及ぶ作戦で同空母から発艦した戦闘機は攻撃目標の「テロリスト」に1252回の攻撃を加えたと述べている。

 シリア情勢は、2015年9月にロシア政府がバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領を支持して介入して以来、形勢が一変。シリア政府軍は先月、反体制派が拠点としていたアレッポ東部を奪還するなど、この2か月で大きな勝利を収めていた。

 ロシアは同盟国イランや、シリアの反体制派を支持するトルコと共に、今月後半にカザフスタンで和平協議を開催する方向で交渉を進めている。しかし、たる爆弾とみられる攻撃を含めダマスカス近郊での戦闘は激化しており、12月30日に発効したシリア全土を対象とする停戦と和平協議の先行きはいずれも不透明になっている。(c)AFP/Layal Abou Rahal with Max Delany in Moscow