【12月26日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II、90)は25日、テレビを通じて英連邦諸国の国民に向けてクリスマスの動画メッセージを発表し、「非凡なことを成し遂げる普通の人々に力をもらった」と目立たない人による偉業をたたえた。重い風邪からの回復過程にあるため、王室一家がそろって教会に赴く恒例の行事への参加は見送った。

 女王はメッセージで「非凡なことを成し遂げる普通の人に会うたびに力をもらいました。ボランティアや介護者、コミュニティーのまとめ役、良き隣人といった人々です。日の当たらない英雄たちの目立たない献身、それが彼らを特別な人にしているのです」と述べた。

 女王はマザー・テレサ(Mother Teresa)の言葉を引用し、「誰にでも偉大なことができるわけではありません。でも、偉大な愛で小さなことはできるのです」と語った。

 女王はリオデジャネイロ五輪や自身の90歳の誕生日の祝賀行事に言及した半面、欧州連合(EU)からの離脱を決めた国民投票という英国にとって今年最大の出来事には触れなかった。

 英王室は毎年のクリスマスを、イングランド(England)東部のノーフォーク(Norfolk)州サンドリンガム(Sandringham)にある女王の別邸で共に過ごすのが慣例。

 だが女王は今年は重い風邪のため、首都ロンドン(London)からサンドリンガムへの移動を22日まで延期せざるを得ず、王室一家がそろって教会に歩いていく伝統行事にも参加できなかった。

 報道官によると、女王は室内にとどまっているが、屋内で催された一家のお祝いに参加できるまでは回復しているという。(c)AFP/Robin MILLARD