【12月26日 AFP】(更新)ポップデュオの「ワム!(Wham! )」で一世を風靡(ふうび)し、ソロでも活躍してきた英歌手のジョージ・マイケル(George Michael)さんが死去した。53歳だった。広報担当者が25日明らかにした。

 広報担当者は声明で、マイケルさんはクリスマスの時期に自宅で安らかに息を引き取ったと発表。「私たちの愛する息子、兄弟、友人であるジョージが亡くなったと認めるのはとても悲しい」と述べた。

 英BBCは警察の話として、ロンドン(London)近郊オックスフォードシャー(Oxfordshire)州ゴリン(Goring)にあるマイケルさんの自宅に25日午後、救急車が向かったと伝えた。警察は死因について現段階では不明としているが、不審な点はみられないという。

 マイケルさんは1963年にロンドン北部で、ギリシャ系キプロス人の父親と英国人の母親の間に生まれた。

 高校時代にアンドリュー・リッジリー(Andrew Ridgeley)さんと出会い、1981年にワム!を結成。クリスマスの定番ソングとなった「ラスト・クリスマス(Last Christmas)」や「ケアレス・ウィスパー(Careless Whisper)」などのヒット曲を連発した。

 人気は世界に広がり、1985年には西側諸国の歌手グループとして初となる中国公演も行った。解散後はソロで活動。バンド・ソロ通算40年近くに及ぶキャリアで1億枚を超えるアルバムを売り上げた。

 しかし近年は公の場所にはめったに姿を見せず、音楽よりも薬物関連の話題などで取り上げられることが多かった。

 インタビューでは私生活について率直に話し、1998年には米ロサンゼルス(Los Angeles)の公園の公衆トイレでわいせつな行為をしたとして逮捕された後、同性愛者であることを公表している。

 2009年には英紙ガーディアン(Guardian)に対し「世間の人は僕のことを、ゲイの相手を求めて公衆トイレに行き、薬物も摂取する悲惨なやつと思いたいのだろう。でも僕はこうしたことを弱みとすら思わない。それが僕という人間だから」と語っている。

 来年にはドキュメンタリー映画の公開を控えていた。(c)AFP/Katherine HADDON