【12月24日 AFP】来年1月に行われるドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の米大統領就任式への出演が決まっているダンスカンパニー、ラジオシティ・ロケッツ(Radio City Rockettes)の中で、一部のメンバーが出演を辞退する可能性があることが明らかになり、グループの運営側は不意を突かれた状況に陥っている。

 大統領選でトランプ氏を支持したアーティストはほんのわずかで、共和党は来年1月20日に首都ワシントン(Washington D.C.)で行われる大統領就任式への出演を了承してくれる大物アーティストの確保に必死だが、すでに歌手のエルトン・ジョン(Elton John)さんら複数の有名人が依頼を断ったことが明らかになっている。

 トランプ氏自身も、一流アーティストらと難しい関係にあることを認識しているようで、22日夜、ツイッター(Twitter)に「トップクラスのセレブたちは皆、就任式のチケットを欲しがっているが、彼らがヒラリー(・クリントン前国務長官、Hillary Clinton)に何をしてやったかと言えば、何一つない。私が望むのは(セレブではなく)普通の人々だ!」と投稿している。

 だがロケッツが就任式でパフォーマンスすることは、就任式を取り仕切る委員会も、ロケッツの親会社マディソン・スクエア・ガーデン・カンパニー(Madison Square Garden Company)も認めている。ロケッツはこれまで、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のスーパーボウル(Super Bowl)のハーフタイムショーや、米大手百貨店メイシーズ(Macy's)が主催する毎年恒例の感謝祭のパレード、過去の大統領就任式にも出演してきた。

 これまでのところ、ロケッツ以外に出演が発表されているのは、歌手のジャッキー・エバンコ(Jackie Evancho)さん(16)とモルモン・タバナクル合唱団(Mormon Tabernacle Choir)の2組のみ。

 マディソン・スクエア・ガーデン・カンパニーのジェームズ・ドーラン(James Dolan)会長は、ロケッツが就任式で演じることは「光栄」だと述べたが、ロケッツのメンバー全員でその喜びが分かち合われているわけではない。

 米メディアの報道によれば、メンバーのフィービー・パール(Phoebe Pearl)さんはインスタグラム(Instagram)で、ロケッツが出演する可能性が濃厚となったことに「困惑、失望した」、「私が一緒に仕事をしている女性たちは聡明で、愛にあふれている。私たちが反対するあらゆることを支持している男のためにパフォーマンスすることになったなんて、ぞっとする」とコメントしていた。この投稿は既に削除されている。

 マディソン・スクエア・ガーデン・カンパニーはその後、就任式への出演は完全に任意だが、参加を希望するメンバーが多数いるとの声明を発表した。(c)AFP/Thomas URBAIN