【12月24日 AFP】中国国営新華社(Xinhua)通信は21日、中国の鉄道車両メーカー、株洲電力機車(CRRC Zhuzhou Locomotive)がチェコの鉄道会社レオ・エクスプレス(Leo Express)から高速鉄道車両を受注し、両社が契約を締結したと伝えた。中国の鉄道車両メーカーが欧州連合(EU)加盟国から受注したのは初めて。

 世界最大の鉄道車両メーカー中国中車(CRRC)のグループ企業である株洲電力機車は、レオ・エクスプレスに時速160キロで走行する高速鉄道の電車3両などを2000万ユーロ(約25億円)で納入する。株洲電力機車によれば、最初の車両の引き渡しは2018年半ばの予定。

 中国政府は国内の鉄道メーカーに海外への事業拡大を促すとともに、世界の大手企業と競争して収益性の高い契約を獲得できるハイテク企業の育成に力を入れている。

 中国企業はこれまでにもインドネシアやセルビア、マケドニア、米国などで鉄道建設や車両製造を受注してきた。株洲電力機車とは別の中国中車のグループ企業は今年、米シカゴ(Chicago)交通当局との間で、地下鉄車両の製造と同市の地下鉄のおよそ半分の車両を新型車両に置き換える13億ドル(約1500億円)の契約を結んでいる。

 しかし、中国企業が落札した高速鉄道の入札過程に情実が絡んでいたなどとしてメキシコ当局が契約を撤回するなど、中国企業が国外での契約獲得に失敗する例も起きている。(c)AFP