【12月12日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は11日、ロシアによる米民主党全国委員会(DNC)などへのサイバー攻撃は大統領選で同氏を勝たせるためだったと米中央情報局(CIA)が結論付けたと報じられたことに関し、「ばかげている」と一蹴した。

 米情報機関はこのサイバー攻撃について、当初はロシアが米国の政治プロセスに対する信頼性を損なおうとして仕掛けたものとみていたが、米紙ワシントン・ポストは先週、目的はトランプ氏を勝たせるように仕向けることだったとCIAが結論付けたと報じた。

 トランプ氏はこの日、米FOXニュース(Fox News)で放送された事前録画のインタビューで「その話は信じない」「ばかげていると思う」と反発。民主党が選挙戦でばつの悪い敗北を喫したことの言い訳探しをしているだけだとこき下ろした。

 トランプ氏はまた、このサイバー攻撃の評価をめぐっては米情報機関の間でも「大きな混乱がある」と主張。「誰も本当は分かっていない。ロシアがやったのか、中国なのか、それとも別の誰かなのか、分かっていないんだ」と持論を述べた。

 一方、共和党のジョン・マケイン(John McCain)、リンゼー・グラム(Lindsey Graham)両上院議員は11日、民主党のチャック・シューマー(Chuck Schumer)次期上院院内総務らと連名で声明を出し、今回のサイバー攻撃は「自由社会の根幹に関わる」重大な問題だとして一段の情報公開を求めた。

 下院諜報委員会の民主党トップ、アダム・シフ(Adam Schiff)議員は、トランプ氏が情報機関による「圧倒的な証拠」を黙殺しようとしているのは「非常に有害だ」と批判した。(c)AFP/Jim Mannion