【12月8日 AFP】男子テニス、世界ランク2位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)と師弟関係を解消したボリス・ベッカー(Boris Becker)氏は、ジョコビッチはトレーニングに精を出せておらず、練習量を増やさない限りは世界1位の座を奪還することはできないと語った。

 通算12度の四大大会(グランドスラム)制覇のうち、6度の優勝をコーチのベッカー氏とともに手にしたジョコビッチは6日、3年間続いた同氏との関係を解消したと明かした。

 独スカイ・スポーツ・ニュース(Sky Sports News Germany)に対しベッカー氏は、「この半年間、彼は練習コート上で割くべき時間に、あまり多くを費やさなかった。それは彼も理解している。成功はボタンを一押しすれば手に入れられるものではない。身を粉にして働かなければならい。相手だってそうなのだから」とコメントした。

 ジョコビッチは6月に全仏オープンテニス(French Open 2016)を制して以降、シーズン後半は不振に陥り、11月には2014年7月から122週間にわたって君臨し続けた王座をアンディ・マレー(Andy Murray、英国)に明け渡した。

 また、シーズン終盤のパリ・マスターズ(BNP Paribas Masters 2016)やATPワールドツアー・ファイナル(ATP World Tour Finals 2016)では、スペイン人のペペ・イマズ(Pepe Imaz)氏をコーチングチームに迎えるなど、変化をもたらしていた。

 ベッカー氏は続けて、「そういった変化は一晩では起きない。段階を踏んだものだ」とし、関係解消は「同意の上」だったとしている。

 ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)で3度の優勝を飾っているベッカー氏は、今後はジョコビッチの「大ファン」になるとし、世界一奪還を信じていると続けた。

「彼が再びテニス界を支配する選手になると確信している。とはいえ、練習コートに戻り、必要なだけ練習時間を増やさなければいけない」

「ノバクは、自分を強くしたものに専心すべきだ」 (c)AFP