【12月8日 AFP】フランス・パリ(Paris)は7日、冬季に発生したものとしては過去10年で最悪の大気汚染に見舞われた。市内では大気浄化策として、公共交通機関の運賃が無料となった他、自動車の交通量を半減させる規制が敷かれた。

 パリの大気監視機関「エールパリフ(Airparif)」によると、気温の低下に加え、ほぼ無風の気候によって排ガスやまきの煙といった汚染物質が市街にとどまっていることが、汚染悪化の要因となっている。

 大気中の粒子状物質「PM10」の濃度はパリの基準では劣悪なレベルに達しているが、中国・北京(Beijing)と比べると60%、世界の首都で最悪の大気汚染に悩まされるインド・ニューデリー(New Delhi)と比べるとごく低い水準にすぎない。

 パリ市当局は6日から、ナンバープレートの末尾の数字が奇数と偶数の車を交互に走行禁止とする交通規制を開始。規制は8日も続き、午前5時30分から深夜0時まで偶数の車だけに走行が認められる。

 通勤での車の使用自粛を促すため、市内の公共交通機関は6日から2日間連続で無料となり、学校の児童・生徒らは屋外での運動が中止となった。(c)AFP/Jonathan JACOBSEN