【12月4日 AFP】イタリアで改憲の是非を問う国民投票を翌日に控えた3日、全土に国民投票に関するメディア規制が敷かれた。国民投票の行方は、政治改革を目指すマッテオ・レンツィ(Matteo Renzi)首相(41)の進退を決定づけるものとなる。

 国民投票前の最終日となった2日には、賛否両陣営が熱い運動を展開。レンツィ首相に対抗する勢力は、上院の権限を縮小する改憲案を廃案に追い込み、中道左派の首相を退陣させるべく有権者に「否決」に投票するよう呼び掛けた。

 一方、改憲案が否決された場合には辞任の意向を示しているレンツィ首相は、有権者の心情が土壇場で「賛成」に流れることへ望みをかけている。

 3日から投票が締め切られる4日午後11時(日本時間5日午前7時)まで、国民投票に関するメディア上の論評は一切禁止されたが、ソーシャルメディア(SNS)を通じた運動は続いている。

 今回の国民投票の結果はイタリアの政治、経済の行方を大きく左右する。ちまたでは、欧州連合(EU)からの離脱が決まった英国の国民投票や、よもやのドナルド・トランプ(Donald Trump)氏勝利となった米大統領選に次いで、今度はレンツィ首相が、現状にうんざりした「取り残された有権者」によるポピュリズム(大衆迎合主義)的しっぺ返しをくらうことになるのではとみられており、否決されれば、ポピュリスト政党「五つ星運動(Five Star Movement)」や反移民・反EUの「北部同盟(Northern League)」を勢いづかせることになるだろう。(c)AFP/Fanny CARRIER