■「私の息子は情熱そのものでした」

 この日のピッチには、ゴールマウスが一つだけ残された。スター選手のGKマルコス・ダニーロ(Marcos Danilo Padilha)が、南米サッカー連盟(CONMEBOL)主催の国際大会コパ・スダメリカーナ(2016 Copa Sudamericana)準決勝の終了間際に、チームを決勝に導くビッグセーブをした場所だ。

 31歳でこの世を去ったマルコス・ダニーロの母イライデ(Ilaide)さんは、「(アルゼンチンのチーム、サン・ロレンソ<San Lorenzo>戦で見せた)あのセーブだけでなく、彼が腕を大きく広げて芝を走り回っていた姿を思い出すのは、非常につらいです。私の息子は情熱そのものでした」と語った。

 また、ブラジルのミシェル・テメル(Michel Temer)大統領は遺体を乗せた飛行機の到着に立ち合い、同国代表のチッチ(Adenor Leonardo Bacchi aka Tite)監督や国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長とともに式にも出席した。

 FIFAのインファンティーノ会長は、「私たちは、いつも君たちとともにある」とコメントした。

■悲しみに包まれるサッカー界

 今回の墜落事故で、サッカー界は悲しみに包まれている。

 来週行われる欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)とヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2016-17)の全試合では、試合前に1分間の黙とうがささげられる予定だ。

 スペインではこの日、レアル・マドリード(Real Madrid)との伝統の一戦「エル・クラシコ(El Clasico)」に臨んだFCバルセロナ(FC Barcelona)のネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)は、シャペコエンセのユニホームを肩にかけ、会場に姿を現した。

 ブラジル国内でも、他クラブから残されたシャペコエンセの選手たちがプレーを続けられるようにオファーも集まっている。(c)AFP/Rosa SULLEIRO