【11月30日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領の選出が決まって以降、全米で憎悪や不寛容に関連する行為900件近くが報告された。権利擁護団体が29日に発表した。発表によると、大半はトランプ氏勝利にあおられて発生したものとみられるという。

 発表を行ったのは人種差別問題の調査やヘイトグループの監視に取り組んでいる「南部貧困法律センター(Southern Poverty Law Center)」。同センターのリチャード・コーエン(Richard Cohen)氏は、実際の数字はこれよりももっと多いはずと指摘した。

 同センターでは、トランプ氏の勝利となった米大統領選挙からの10日間にいやがらせや脅しなど867件を記録した。トランプ氏の勝利は白人至上主義者らに歓迎され、他方では同氏の移民やイスラム教徒、女性を蔑む発言に火をつけられた人もいる。

 同センターの記録は、米国でこれらの行為が急増していることを明確にはしていない。だが、コーエン氏は「わたしたちに憎悪による行為を報告してくる人たちの多くは、このようなことはこれまで経験したことがないと話す」と説明した。

 ほとんどは落書きや言葉による嫌がらせだが、中には暴力行為を伴うものもあった。これらは、反移民あるいは反黒人の性質のものが半数以上で、カリフォルニア(California)州の99件を先頭に、米国のほぼ全州から報告されている。

 トランプ氏は選挙後初の主要な記者会見で、嫌がらせや脅しの行為をやめるよう人々に求めた。(c)AFP/Anita Chang Beattie