【11月29日 AFP】キューバで28日、フィデル・カストロ(Fidel Castro)前国家評議会議長の追悼行事が始まり、弔問所が設置された首都ハバナ(Havana)の革命広場(Revolution Square)には大勢の人が詰め掛け、冷戦(Cold War)時代の巨人の死を悼んだ。

 革命広場には夜明け前から弔問の人々が集まり、長蛇の列ができた。追悼行事の幕開けには、ハバナ港を見下ろすスペイン植民地時代の要塞から21発の弔砲が発射された。

「エル・コマンダンテ(El Comandante、司令官)」と呼ばれ、真っ黒なひげをたくわえた若き日の革命家の白黒写真のそばを行列は静かに進み、花束を抱えている人や涙ぐんでいる人もたくさん見受けられた。

 元公務員のルルデス・リベラ(Lourdes Rivera)さん(66)は、列に並んでいる最中に胸がいっぱいになったとして歩道の脇に座り込んで泣きだした。

 リベラさんは「私たちキューバ人全員にとって父親のような存在でした。私にも自分の父はいました。でも父が与えてくれないようなものを(カストロ氏は)与えてくれた。私にすべてを与えてくれたんです。自由。そして尊厳も」とカストロ前議長をたたえた。(c)AFP/Laurent THOMET