【11月25日 AFP】サッカー元イングランド代表の主将スティーブン・ジェラード(Steven Gerrard)が24日、現役引退を表明し、36歳までに築き上げてきた象徴的なキャリアに終止符を打つことになった。

 プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)で17年間を過ごしたジェラードは、同クラブで12年間主将を務め、2004-05シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)を含め数々の主要タイトル獲得に貢献。米メジャーリーグサッカー(MLS)のロサンゼルス・ギャラクシー(LA Galaxy)で1年半プレーしたあと、現役生活に幕を下ろした。

 ジェラードは声明で、「最近のメディアで、私の将来に関する臆測が流れていることを受け、私はプロサッカー選手から引退することを表明する。これまで素晴らしいキャリアを過ごすことができた。リバプール、イングランド代表、そしてLAギャラクシーでのすべての瞬間に感謝している」と述べた。

 プレミアリーグのタイトルには恵まれなかったことで知られるジェラードだが、イングランドFAカップ(FA Cup)で2回、イングランド・フットボールリーグカップ(England Football League Cup)で3回の優勝を経験し、さらにはUEFAカップ(UEFA Cup、現ヨーロッパリーグ〈UEFA Europa League〉)、UEFAスーパーカップ(UEFA Super Cup)、そしてFAコミュニティーシールド(FA Community Shield)でも頂点に立った。

 ジェラードにとって最高の瞬間となったのは、2005年5月にトルコ・イスタンブール(Istanbul)で行われた欧州チャンピオンズリーグ決勝のACミラン(AC Milan)戦。リバプールは0-3の劣勢から、PK戦の末に通算5回目の大会制覇を成し遂げた。

 リバプールでは、イアン・キャラハン(Ian Callaghan)氏とジェイミー・キャラガー(Jamie Carragher)氏に次いで、チーム史上3位の通算710試合に出場し、合計186得点を記録しているジェラードは、イングランド代表でもピーター・シルトン(Peter Shilton)氏、ウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)、デビッド・ベッカム(David Beckham)氏に次ぐ通算114キャップを誇り、合計21得点を挙げている。

 イングランド代表の主将を務めた2010年と2014年のW杯や欧州選手権2012(UEFA Euro 2012)をはじめ、主要国際大会に6度出場しているジェラードは、「これまでのキャリアで、たくさんの素晴らしい瞬間を経験できて、幸運だったと感じている。主将として長い時間を過ごしてきたリバプールで、700試合以上もプレーし、クラブの一員として(本拠地)アンフィールド(Anfield)に大きな栄誉を取り戻すことに貢献できて誇りを感じている。中でもイスタンブールでの、あの夜は特別だ」と語った。

「国際大会では、イングランド代表として114キャップを勝ち取り、母国の主将という栄誉にあずかれたことは、本当に特別な思いだ」

■「扉はいつでも開いている」

 最近の報道で、古巣リバプールでのコーチングや指揮官への就任が取り沙汰されているジェラードについて、ユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)現監督は記者会見で、「彼に対する扉はいつでも開いている。彼が以前とは別のキャリアを望むのであれば、われわれは支援したい」と歓迎する意向を示した。

 一方、フットボールリーグ1(3部)のミルトン・キーンズ・ドンズFC(Milton Keynes Dons FC)からの監督就任のオファーを断ったと認めているジェラードは、今後の去就に関しては、時間をかけてから発表したいとしている。

「自分の将来にわくわくしているし、規模は関係なく、まだオファーもたくさん来ている。今は多くの選択肢について時間をかけて考えているところで、自分の次のステージについては、決まり次第発表するつもりだ」

 ジェラードはまた、コーチングと解説者のどちらを選択するかコメントを求められると、「どちらも、やってみたい気がする」と答えていた。(c)AFP/Tom WILLIAMS]