【11月22日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は21日、2012年ロンドン五輪で採取された検体の再検査の結果、女子3000メートル障害で優勝したロシアのユリア・ザリポワ(Yuliya Zaripova)を筆頭に7人のメダリストを含む12選手を失格処分にしたと発表した。

 今回、唯一の金メダリストとして不正行為が発覚したザリポワのほか、同五輪で銀メダルを獲得した重量挙げ男子94キロ級のアレクサンドル・イワノフ(Alexandr Ivanov)と、同女子75キロ級のナタリヤ・ザボロトナヤ(Nataliya Zabolotnaya)もロシア勢だった。

 メダルが剥奪された残りの4人はいずれも重量挙げの選手で、女子53キロ級のクリスティーナ・イオヴ(Cristina Iovu、モルドバ)、同75キロ級のフリプシメ・フルシュジャン(Hripsime Khurshudyan、アルメニア)、同75キロ級のイリーナ・クレシャ(Iryna Kulesha、ベラルーシ)、そして男子94キロ級のアナトリー・キリク(Anatoli Ciricu、モルドバ)であることが判明。それ以外で処分を受けた5人も重量挙げもしくは陸上の選手で、国籍はジョージア、カザフスタン、ロシア、そしてウクライナとなっている。

 2008年と2012年の五輪メダリストの検体を中心に、最新技術を駆使して再検査を実施しているIOCは、ロシアのドーピングスキャンダルによりここ数十年で最大級の危機に直面したことを受け、スポーツ界における薬物使用の一掃を目指している。

 世界反ドーピング機関(WADA)の報告書で「国家ぐるみ」のドーピング違反が指摘されたロシアは、今夏のリオデジャネイロ五輪で110人以上の選手が出場禁止処分を受けた。

 IOCは現在、数年前では識別不可能だった運動能力向上剤の検出を目指し、北京五輪とロンドン五輪を合わせて計1243件の検体を再検査しており、これまでのところ計82件の陽性反応を検知している。(c)AFP