【11月15日 AFP】中国・広東(Guangdong)省広州(Guangzhou)市のショッピングセンターで展示され、動物愛護活動家から「世界一悲しい」と形容されているホッキョクグマが、別の施設に移送された。活動家らはこのクマが、飼育に適さない環境に置かれ苦しんでいると非難していた。

 ホッキョクグマの「ピザ(Pizza)」は、同市のショッピングセンター「正佳広場(Grandview Mall)」が客寄せのために約500種の動物を集め設置した施設「正佳極地海洋世界(Grandview Aquarium)」で飼育されていた。

 同センターの広報担当者はAFPに対し、ピザは13日に行われた送別会の後、「護送され同館を後にした」ことを明らかにした。現地メディアは、ピザが生まれた場所である天津(Tianjin)市の施設に戻ると報じている。

 ショッピングセンター側は、施設改装のための一時的な移動であり、改装工事が終わればピザはまた戻ってくるとしている。

 このクマをめぐっては、米動物愛護団体「国際人道協会(HSI)」が「世界一悲しいホッキョクグマ」と呼んでその窮状を浮き彫りにする運動を展開し、世界中のメディアが大々的に報じた。

 HSIの対中専門家は、一時移送は世間からの圧力の結果であり、「ショッピングセンターに対し、移送先を永住地としてピザを再び同センターに戻らせないよう嘆願している」と述べている。(c)AFP