【11月14日 AFP】世界的に有名なイタリアのフリーダイバー、エンゾ・マイオルカ(Enzo Maiorca)氏が、生まれ故郷の同国南部シチリア(Sicily)島シラクサ(Syracuse)で死去した。85歳だった。現地メディアが13日、報じた。

 伝説的なダイバー、フランスの故ジャック・マイヨール(Jacques Mayol)氏とのライバル関係は、リュック・ベッソン(Luc Besson)監督の映画『グラン・ブルー(Le Grand Bleu)』(1988)で描かれた。作品ではジャンマルク・バール(Jean-Marc Barr)が主人公のマイヨール役を、ジャン・レノ(Jean Reno)がマイオルカ役を演じた。

 マイオルカ氏は世界で初めて、酸素ボンベの助けを借りず肺にためた空気だけで50メートルの潜水に成功。1988年には57歳で自己最高となる101メートルの潜水記録を樹立した。

 ダイバー誌「ダイバー(Diver)」のウェブサイトに掲載されたインタビューでは「着実に記録を更新してきた。医者の助言に従い、160フィート(約49メートル)より深くは潜らないようにしていたが、次第に医者たちは間違った信念に基づく壁をつくっているのだと分かってきた。(古代ギリシャの哲学者)アリストテレス(Aristotle)ですら、人間はせいぜい30フィート(約9メートル)までしか潜れないと言っていたけれど」と語っている。(c)AFP