【11月10日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は、大統領選の過程でしばしばさげすまれてきた。だが、トランプ氏に対し厳しい言動をとってきた人々の多くはこれから、予測不可能なトランプ氏を受け入れるほかないのだ。

 トランプ氏に対する厳しい言動の例をいくつか紹介する。

■ゼイド・ラアド・アル・フセイン(Zeid Ra'ad Al Hussein)国連人権高等弁務官

 フセイン氏は10月12日、「もしドナルド・トランプが選出されれば、これまでの彼の発言に鑑みるにそれが変わらない限り、国際的見地からは間違いなく危険だ」と述べた。

 フセイン氏はトランプ氏の「不穏な」コメントの数々、とりわけ法律専門家が拷問に等しいと指摘する尋問手法の採用を求めるコメントを非難した。

■フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領

 オランド大統領は8月2日、トランプ氏が戦死したイスラム教徒の米兵の遺族との間で繰り広げる非難合戦に言及し「米国の話であっても、彼の行き過ぎた言動は吐き気を催すものだ。兵士や、兵士の思い出を卑しめる発言は特にそうだ」と述べた。

■ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王

 メキシコ訪問からの帰途の2月18日、同行の記者からトランプ氏の移民問題に関する姿勢について意見を求められたフランシスコ法王は、「誰であれ、橋ではなく壁を作りたいと考える者は、キリスト教徒ではない」と述べた。法王はメキシコと米国を隔てる国境フェンス近くでミサを行い、両国に聞こえるよう説教していた。

■メキシコのエンリケ・ペニャニエト(Enrique Pena Nieto)大統領

 ペニャニエト大統領は3月7日付の日刊紙エクセルシオール(Excelsior)に掲載されたインタビュー記事で、メキシコ人やイスラム教徒の移民をやり玉に挙げるトランプ氏を糾弾。ナチス・ドイツ(Nazi)の独裁者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)やイタリアの独裁者ベニト・ムソリーニ(Benito Mussolini)の台頭を想起させる「耳障りな言い回し」と非難した。

 ペニャニエト氏は「人間の歴史にはさまざまなエピソードがあるが、残念ながらこうした耳障りな言葉は歴史上、不吉なシナリオをたどるしかない」と指摘した。

■ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英外相

 ボリス・ジョンソン英外相はロンドン(London)市長を務めていた2015年12月8日、トランプ氏のイスラム教徒の米国入国禁止案を受けて、「ニューヨーク(New York)の一部に行きたくない唯一の理由は、ドナルド・トランプに出くわすリスクが実在するからだ」と述べた。

 またジョンソン氏は、トランプ氏のロンドンや仏パリ(Paris)の一部は急進的になりすぎており、警察も行くのを怖がるとの主張を受けて、トランプ氏の発言は「話にならない、全くばかげている」と述べた。(c)AFP