【11月5日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は4日、クレムリン(Kremlin)の近くに建てられた自身と同名の歴史上の偉人でロシア正教会の聖人としてあがめられているウラジーミル大公(Vladimir the Great)の巨大な像の除幕式を行った。この像の設置をめぐり、地元住民や自然保護活動家からは批判の声が上がっていた。

 高さ17メートルの像は、988年にロシアの前身、キエフ大公国(キエフルーシ)をキリスト教国にしたウラジーミル大公を模したもので、歴史あるモスクワ(Moscow)中心部の景観を損ねる恐れがあるとして物議を醸していた。

 2014年のクリミア(Crimea)併合と、それに続く欧米諸国との関係の行き詰まりの中で火が付いた愛国心をプーチン政権があおり続けている中で行われた除幕式には、ロシア正教会のキリル総主教(Patriarch Kirill)も出席した。

 観光名所としても知られるクレムリンの塀からわずか数メートルしか離れていない場所に巨大な像を設置する計画には地元の自然保護活動家から批判の声が上がったほか、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)もクレムリンの世界遺産(World Heritage)登録が取り消される恐れが出てくると懸念を表明していた。(c)AFP