【11月4日 AFP】米大リーグ(MLB)、シカゴ・カブス(Chicago Cubs)が前回ワールドシリーズを制した1908年には、文字通り「スライスされた食パン」は発明されていなかった―シカゴ(Chicago)を政治拠点とするバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は、その意味を実感している。

 素晴らしい出来事を言い表すときに使用される表現は、大げさな意味で受け止められることもあるが、今回はそうではない。

 3日にマイアミ(Miami)を訪れたオバマ大統領は、米大統領選挙の民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏を応援する街頭演説の途中で、自身が大ファンと公言するシカゴ・ホワイトソックス(Chicago White Sox)の同都市のライバルチームであるカブスをたたえた。

「ここでは、うんざりするような話題ばかりだ。とにかくネガティブで騒々しく、気が散って誘惑さえも気付かないくらいで、ワールドシリーズに勝ったカブスのことしか考えたくなくなる。そのことだが、ホワイトソックスのファンにとっても、108年間も待ち続けたカブスの優勝は一大事だ」

「テレビで観戦していたが、前回カブスが優勝したのはトーマス・エジソン(Thomas Edison)が存命で、スライスされた食パンはまだ発案されていなかったそうだ。『スライスパンが発案されて以来の画期的なこと』という表現をご存知だろう? カブスファンにとっては、まさにスライスパン発案以来の快挙だ。素晴らしいシーズンとなったシカゴ・カブスを祝福したい」

 1勝3敗から反撃してシリーズをタイに戻したカブスは、3日未明にまでもつれた第7戦で延長10回の末に8-7で勝利。これでついに108年間の呪いを解き、タイトルを獲得した。

 勝利が決まった後、オバマ大統領はツイッター(Twitter)で、「実現した。カブスがワールドシリーズに勝ったことは、このサウスサイダー(オバマ大統領自身)の信条さえも変えた。私が去る前に、ホワイトハウス(White House)に来たいかい?」

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