【11月1日 AFP】男子テニス、今週のパリ・マスターズ(BNP Paribas Masters 2016)で、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)から王座奪取を目指すアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は31日、世界ランキング1位への道のりにも、特にプレッシャーは感じていないことを明らかにした。

 マレーは、過去数年の同大会で絶対的な強さを誇ってきたジョコビッチが決勝進出を逃し、自身が同大会で初優勝を飾ることができれば、頂点に立つことができる。現在、中国オープン(China Open 2016)、上海マスターズ(2016 Shanghai Rolex Masters)、エルステ・バンク・オープン(Erste Bank Open 2016)と3大会連続優勝を記録してジョコビッチとの差を詰めるマレーは、もし1位に輝くことになれば1974年のジョン・ニューカム(John Newcombe)氏に次いで、初めて世界1位に登りつめた最高齢の選手となる。

 しかしながら、当の本人は自身の取り組み方はこれまで通り維持し、周囲の騒音はさえぎっているという。

 29歳のマレーは、「(世界1位になることは)私がコントロールできる範囲にはない。もちろん挑戦し、試合に勝つことはできるが、仮に自分が今週行われるすべての試合で勝利したとしても、1位になれない可能性だってある。だから、これについてはノバクにゆだねられている。彼が現時点では先を行っているのだから、試合に勝ち、残る2大会で上位に進出すれば、彼がナンバーワンの位置を維持することになるだろう」と語った。

「6、8週間前と何ら変わった感じはしない。今シーズン終了時を世界1位で終えることは目標ではない。来年の初めのほうが1位になるチャンスはかなり高いと思うから、照準は今週ではなく来季だ」

■「キャリア最高の状態」

 パリ・マスターズで1回戦を免除されているマレーは、元世界ランキング7位のフェルナンド・ベルダスコ(Fernando Verdasco、スペイン)との2回戦で大会の幕を開く。ベルダスコは、1回戦で対戦相手のロビン・ハーセ(Robin Haase、オランダ)がけがで途中棄権したことで勝利を収めている。

 ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)を制覇し、現在15連勝中のマレーは、30日に行われたエルステ・バンク・オープン(Erste Bank Open 2016)決勝でジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga、フランス)を下し、キャリアハイとなる今季7勝目を挙げた。

 連勝による疲労が懸念されるマレーだが、本人は「今年は一年を通して体調が良い。最近の4、5か月はキャリア最高のテニスができている。上海(Shanghai)の後は、必要だったから休息を取り、ウィーン(Vienna)に到着するまではボールを打たなかった」と話し、不安を一蹴している。

「それに、29日の準決勝では不戦勝(ダビド・フェレール<David Ferrer、スペイン>が脚の負傷で棄権)を得て、オフのような一日を過ごせたことにも助けられた。昨日の決勝も長すぎる試合ではなかったから体調は問題ない」

 ここまで今シーズンの通算成績を69勝9敗としているマレーは、自身が持つ昨季の勝利数まであと2勝としているが、昨年の同大会決勝ではジョコビッチの前に屈している。(c)AFP/Martyn WOOD