【11月1日 AFP】イタリア中部で先月30日に起きたマグニチュード(M)6.6の地震で、地元当局は31日、1万5000人以上が家を失ったことを明らかにした。また歴史的建造物が受けた取り返しのつかない損傷の規模も明らかになってきている。

 過去36年間に同国で起きた中では最大規模となったこの地震では、死者こそ出なかったものの、ここ2か月間で大地震が立て続けに発生した同国中部の山間地帯の町村では数千軒の家屋が全壊、または構造上危険な状態に陥っており、多数の人々が避難生活を強いられている。

 一連の地震とそれに伴う余震により、数々の有名な重要建造物がついに崩れ落ちた。ウンブリア(Umbria)州では30日、起源が5世紀にさかのぼるとされるサンテウティツィオ修道院(Abbey of Sant-Eutizio)が崩壊。同院は同国最古級の修道院で、12世紀のロマネスク様式のファサードとルネサンス様式の鐘楼で知られていた。

 この他、ノルチャ(Norcia)にある14世紀の聖ベネディクト教会(Basilica of Saint Benedict)、アマトリーチェ(Amatrice)にある13世紀の「市民の塔(Civic Tower)」といった重要建築も被害を受けた。

 また中世の大学都市カメリーノ(Camerino)では先週、サンタ・マリア・イン・ビア(Santa Maria in Via)の鐘楼が、1997年の地震後になされた全面的な改装と耐震保護工事のかいなく倒壊した。(c)AFP/Franck IOVENE