【10月31日 AFP】世界ゴルフ選手権(World Golf Championships)シーズン初戦のHSBCチャンピオンズ(WGC-HSBC Champions 2016)を制し、アジア人選手としては初めて同シリーズの勝者となった松山英樹(Hideki Matsuyama)が、メジャー初制覇への意欲を語った。

 通算23アンダーを記録した松山は、「アジアのメジャー」と称される同大会では過去最大となる7打差をつけ、世界の一流選手を退けて圧巻の優勝を飾った。

 松山は大会後、「ここで優勝して、メジャーでもっとしっかり戦えるという気持ちがますます強くなった。次の目標はもちろんメジャー制覇なので、そこへ向けてできる限りの準備をしていきたい」と話した。

 メジャーを制覇すれば、2009年に全米プロゴルフ選手権(2009 PGA Championship)を制覇した梁容銀(Yong-Eun Yang、韓国)に続き、アジアの選手としては2人目の快挙となる。

 今大会には、現在のメジャーのタイトルホルダー4人、メジャー優勝経験者10人、世界ランキングトップ10のうち8人、トップ50のうち40人とそうそうたる面々が顔をそろえていたが、厳しい天候のなかで4アンダーが最も悪いスコアと、驚異的なペースで逃げる松山には誰も付いていけなかった。

 松山は米国ツアー最多記録にあと3個と迫る29個のバーディーを奪取。2日目の第9ホールでボギーを記録した後は、45ホールをノーボギーで回った。

 これには、2位タイに入ったダニエル・バーガー(Daniel Berger、米国)も、「ヒデキのプレーは信じられなかったね。楽しみながら見ていたよ。彼のプレーからは学ぶことがたくさんある」と話した。

 リオデジャネイロ五輪銀メダリストで、全英オープン(The 145th Open Championship)覇者のヘンリク・ステンソン(Henrik Stenson、スウェーデン)も、「今回のヒデキは、ペダルを踏み続けられる選手だということをみんなに示した。素晴らしい逃げ切りだった」とコメントしている。

■両親への感謝を口にする松山

 松山はこれでプロ通算10勝目。米国ツアー3勝目は、日本人選手としては丸山茂樹(Shigeki Maruyama)に並ぶ最多タイの記録となる。

 この点について松山は、「丸山さんにはよくしてもらっていて、俺の記録を抜けといつも言われていたが、すごく尊敬する選手だし、まずはそこに並べてとても誇らしい」と話した。

 さらに松山は、日本にいる両親への感謝を口にし、「勝てたのは二人のおかげ。ここまで育ててくれた感謝も込めて、電話をして優勝したよと伝えたい」と話している。

 ここ3戦で2勝、優勝を逃したCIMBクラシック(CIMB Classic 2016)も2位と好調を維持する松山は、31日に発表される世界ランキングで、アダム・スコット(Adam Scott)、バッバ・ワトソン(Bubba Watson)、ダニー・ウィレット(Danny Willett)というメジャー優勝経験者を抜き、自身過去最高の6位に浮上することが確実となっている。松山は先週、日本人選手としては1998年4月のジャンボ尾崎(Jumbo Ozaki)以来となるトップ10入りを果たしていた。

 また今回の優勝で、松山は新シーズンのフェデックス・カップ(FedEx Cup 2017)のポイントランキングでも首位に浮上している。(c)AFP/Daniel HICKS