【10月31日 AFP】イタリア中部ノルチャ(Norcia)近郊で30日発生したマグニチュード(M)6.6の地震では、当局によると20人が負傷し、3000人余りが避難を余儀なくされている。また600年以上の歴史を持つ教会もほぼ崩壊した。現地では過去2か月大規模な地震が相次いでおり、住民の間に動揺が広がっている。

 30日の地震は一帯を襲った地震としては36年ぶりの大きさだったが、市民保護局によると死者が出たという報告はない。負傷した20人も軽傷だという。

 同局のファブリツィオ・クルチオ(Fabrizio Curcio)局長はその一方で「歴史地区では多くの建物が危機的な状態にあり、電気や水の供給にも問題がある」と説明した。

 被災した歴史的建造物のうち最も重要なものは、14世紀にさかのぼるノルチャの聖ベネディクト教会(Basilica of Saint Benedict)。何世紀もの間多数の地震に耐えてきたが、8月末以降続く地震で損壊し、30日の大地震で正面部分を残して全て倒壊した。

 ノルチャの住民は安全上の理由から自宅に戻るのを禁止され、一時的な宿泊場所があるトラジメーノ湖(Lake Trasimeno)までバスで移動した。

 マッテオ・レンツィ(Matteo Renzi)首相はローマ(Rome)で開いた記者会見で「疲弊があきらめに変わってはならない」と被災者らを励ますとともに、被災した家屋は全て再建すると改めて確約した。(c)AFP/Franck Ioevene and Angus MacKinnon in Rome