【10月29日 AFP】ラグビーイングランド代表のエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)は、南アフリカ戦での「ひどい」連敗記録に終止符を打つことを目指す中、選手たちに「再建中」のスプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)を警戒するよう求めた。

 11月12日の南ア戦からトゥイッケナム・スタジアム(Twickenham Stadium)での連戦が始まるイングランドだが、2006年以降は同国から白星を挙げることができておらず、4年前に敵地ヨハネスブルク(Johannesburg)で14-14の引き分けに終わった一戦を含め、ここ12戦で11敗を喫している。

 南アは昨年のW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)で3位に入った後、アリスター・クッツェー(Allister Coetzee)新HCの下で苦しみ、テストマッチはここ5戦で4敗となっている。直近では、今月行われた南半球4か国対抗戦のザ・ラグビーチャンピオンシップ(The Rugby Championship 2016)で、優勝を飾った世界王者ニュージーランドに57-15の大敗を喫している。

 一方でイングランドは、W杯の予選プールで敗退を喫した後にジョーンズHCを招へいすると、そこからテストマッチ9戦9勝の記録を残している。

 それでも、これまでにオーストラリアや日本で指揮を執ったジョーンズHCは、「南アフリカに対しては良い記録がない。だからわれわれには新しい歴史を作るチャンスだ」と語った。

「あちら(南ア)は代表的な選手が4、5人いなくなり、新コーチの下で再建中だ。トゥイッケナムでは意気込んで試合に臨むだろう」

 ジョーンズ氏は、今月英南部ブライトン(Brighton)で行われた合宿で数人の選手をけがさせて非難を浴びている。ジョーンズHCはタックル力向上のために柔道の練習を取り入れたが、その際にアンソニー・ワトソン(Anthony Watson)が顎を、サム・ジョーンズ(Sam Jones)が足をそれぞれ骨折し、さらにジャック・ノーウェル(Jack Nowell)も負傷した。負傷した選手は南ア戦後のアルゼンチン戦、フィジー戦、オーストラリア戦の全戦で欠場を余儀なくされている。

「選手がけがをするのは誰も見たくない。だが、われわれは11月12日の南アフリカ戦を控えており、彼らに勝つために強度の高い練習をする必要がある。彼らには2006年から勝っていないのだから」とジョーンズHCは語る。

 ジョーンズHCは2007年のラグビーW杯で優勝を飾った当時の南アでチームアドバイザーを務めており、同国を熟知している。

「彼らは興味深いメンバーを選出していて、われわれが知っている南アフリカよりも少しラグビーらしいプレーをしてくるのではないかと思う。10番にはエルトン・ヤンチース(Elton Jantjies)やパトリック・ランビー(Patrick Lambie)、あるいはヨハン・グーセン(Johan Goosen)を置く可能性もある。南アフリカは違ったスタイルで来るかもしれない。つまり、われわれのディフェンスにとってもチャレンジとなるだろう」

「新HCのアリスター・クッツェーはストーマーズ(DHL Stormers)を長らく率いて、彼らは見事な幅がある戦いを披露していた。異なる類いのチャレンジになるだろう。楽しみにしている」

 それでもジョーンズHCは、南アが同国の根幹を成すフィジカルを押し出した戦い方から身を引くことはないと強く考えている。

「南アの選手はボールが無いところでのプレーを好む。彼らはボールを持っていなくても気にしないし、相手をけがさせることはなんとも思わない」

「それが彼らの試合の大部分を長らく占めてきた。こちらは機敏にならなければならないし、彼らの居心地を悪くする必要がある」

「それができれば、南ア戦でのひどい戦績を一転させるために、われわれは絶好の位置につけられるだろう」

(c)AFP/Julian GUYER