【10月28日 AFP】インドネシアの裁判所は27日、交際相手の男性を批判された腹いせに女友達のコーヒーのグラスに毒物を入れて殺害した容疑で起訴された女(28)に対し、「サディスティック」な犯行だとして禁錮20年の有罪判決を下した。

 被害者のワヤン・ミルナ・サリヒン(Wayan Mirna Salihin)さん(当時27)は今年1月、首都ジャカルタ(Jakarta)で最先端として人気のショッピングモールのカフェでアイスコーヒーを飲んでいた際、失神して痙攣を起こし、搬送先の病院でまもなく死亡した。

 検察は、サリヒンさんとはオーストラリア留学時代からの友人だったジェシカ・クマラ・ウォンソ(Jessica Kumala Wongso)被告(28)が、麻薬使用者の男性との交際を注意されたことに腹を立てて殺害したもので、「綿密に」計画された「残虐な」犯罪だと主張。また、警察は被告が現場のカフェでテーブルの上にバッグを置き、コーヒーに毒を入れるところが防犯カメラに写らないようにしていたと述べていた。

 裁判官は、ウォンソ被告がコーヒーにシアン化物を入れ、サリヒンさんを殺害したと判断。「友人に対する嘆かわしくサディスティックな犯行」であり、被告に反省の様子は見られないとして、謀殺罪で禁錮20年の判決を言い渡した。

 容疑を否認してきたウォンソ被告は、判決文が読み上げられる間まったく感情をあらわにせず、その後「この判決は受け入れられない。非常に不公平だ」と述べた。弁護団は控訴する方針を示している。

 共に裕福な家庭に生まれ、留学先のオーストラリアのデザインカレッジで知り合った2人が殺人という結果を迎えたドラマのような事件はインドネシア国内で注目を集め、「毒入りコーヒー事件」として連日テレビで報道されてきた。また、ウォンソ被告が永住ビザを持ち、2人が留学していたオーストラリアでも大きな関心を呼んでいた。(c)AFP/Dessy Sagita