【10月26日 AFP】英政府は25日、英国の空の玄関口であるロンドン(London)西部ヒースロー空港(Heathrow Airport)に第3滑走路を建設する計画を承認した。ロンドンに本格的な滑走路が新設されるのは第2次世界大戦(World War II)後初となる。ヒースロー空港の拡張をめぐっては賛否が分かれ、数十年にわたって論議が続いてきたが、ようやく政府が決断を下した。

 クリス・グレイリング(Chris Grayling)運輸相は議会で、今回の決定は「画期的な前進」だと称賛。英国が6月の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めたことに言及しつつ、「英国はビジネスに開かれているという明確なメッセージを送るものだ」と指摘した。

 政府は新滑走路について、ロンドンの航空輸送能力が増えることで最大610億ポンド(約7兆7000億円)の経済効果があると試算。また向こう14年間に地元で最大7万7000人の雇用創出が見込まれるとしている。空港の運営会社もこの期間に5000人分の研修者枠を設ける方針だ。

 とはいえ、拡張には環境面の影響に対する懸念などから強い反対の声も根強く、実現が遅れたり阻まれたりする恐れがある。

 閣僚の中にも、かねて拡張に強硬に反対してきた前ロンドン市長のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)外相をはじめ反対論がある。政府は、代替案として検討され、ロンドンのサディク・カーン(Sadiq Khan)市長がおすロンドン南部ガトウィック空港(Gatwick Airport)の第2滑走路新設は見送った。(c)AFP/Ruth HOLMES