【10月23日 AFP】世界最高峰エベレスト(Mount Everest)への登頂に女性として世界で初めて成功した登山家の田部井淳子(Junko Tabei)さんが20日、腹膜がんのため死去した。77歳だった。複数のメディアが22日、報じた。

 遺族の話としてNHKと共同通信(Kyodo News)が伝えたところによると、田部井さんは腹膜がんのため、入院先の埼玉県にある病院で亡くなったという。

 福島県出身の田部井さんは、1975年に南東稜(りょう)ルートで、女性初のエベレスト登頂に成功した。その後タンザニアのキリマンジャロ(Kilimanjaro)や米国のマッキンリー(McKinley、現デナリ、Denali)、南極のビンソンマシフ(Vinson Massif)などにも登頂し、女性登山家の先駆者となった。エベレスト登頂後も、国内外で登山活動を続けた。

 田部井さんはAFPが2003年に行ったインタビューで、エベレストに再び登りたい考えはないと述べ、時間と資金が十分ならば、むしろ以前登頂を試みたことがない山に登りたいと語っていた。

 NHKによると、今年7月に高校生とともに富士山(Mount Fuji)へ登ったのが最後の登山となった。(c)AFP